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6歳の男の子です。一年前 突然 膝が曲がらなくなり分裂膝蓋骨と言われました。膝が曲がらなくなるたび痛がり、心配になり病院に行くのですが、レントゲンをとられるだけで特に何の処置もされません。足がのびきった状態で今回も一週間たちましたが、まだ痛がります。自然におさまるから心配ないと言われても、なかなか曲がらない足を見ていると心配です。両足動かなくなり、寝たきりの時もあります。小学校に入ったばかりなのに、学校も今休んでいます。分裂膝蓋骨の良くなる方法はありませんか。ずっと痛みを繰り返すしかないのでしょうか。(富山市 女性)
こんな病気、知りませんでした。長い間小児科医ばかりしていて学生時代に教わったことを忘れたのかと、学生や整形外科以外の医師向けに書かれた教科書を慌ててひもといてみました。そうしたら、「外傷による膝蓋骨骨折」の項目の中に「分裂膝蓋骨との鑑別に注意」とあるだけで、では分裂膝蓋骨とは何ぞやとなるとその項目がなく、驚きました。
整形外科医にとっては「大した病気ではない」ようです。患者の悩みと医療の間にはギャップがあるものです。
調べてみると、次のようなことでした。
分裂膝蓋骨は、生まれつき膝蓋骨(膝のお皿)が二つ以上に分裂している状態。無痛性と有痛性のものがある。有痛性のものも、本来は無痛性だったのが、スポーツ活動や打撲などで分離部に力学的ストレスが加わって痛みが起きると考えられているようです。
以上の理屈から考えると、痛みが出たら局所の安静を保って変化が落ち着くのを待つ、というのが基本です。医療の基本です。
しかし、安静を保っているにもかかわらず痛みが続く、あるいはくり返すのですね。6歳といえば甲斐性がよくなり飛び回りたい年頃なのに、安静を保てというのは酷だし難しいですね。手ならまだしも、膝の安静というのは移動しないということですから。
では、どうすればいいのか。調べた結果をまとめると、次のようになります。
治療は、やはり保存的治療(手術せずに安静を保つ)が原則です。まず、スポーツ活動をしているなら一時的に中止させ、リハビリテーションとして温熱療法や大腿四頭筋のストレッチングと筋力強化訓練などを受ける。もちろん、整形外科医の指示のもと、専門家から受けることが必要です。
このような努力で改善しない場合は、分離部に局所注射をする方法があります。しかし、注射で分裂膝蓋骨は治りませんから、おそらく効果は一時的。以前と同じ刺激をくり返せば症状もぶり返す可能性はあります。
ここまでの全てを行っても問題が解決せず、再発をくり返して苦痛が強い場合は手術という方法になります。手術は分裂膝蓋骨の状態をなくすわけで、問題を根本から解決します。分裂した骨を取り除く方法と分裂した骨をつなぐ方法がありますが、骨の癒合には時間がかかるので、一般には取り除く方法が行われるようです。それでも、傷が治るまでは膝の安静が大切で、かなりの時間安静を要します。
私には調べたこと以上のことは分かりません。しかし、お母さんとしては、医師はレントゲンの結果をもとに診断を告げるだけで、それ以上の手当をしてくれないという不満をお持ちのようです。お気持ちは十分に理解できます。
こんな時こそ、セカンドオピニオンです。一カ所の医師の診断や治療法、説明に十分納得できなければ他の医療機関にかかってそちらの意見も聞く、というのは現代ではごく普通の行為です。
紹介状なしで他の医療機関に行くと再びX線撮影が必要になりますが、下肢のことであり放射線の被曝量もそう心配する必要はないでしょう。気軽に、第二、第三の医療機関でご相談なさったら如何でしょうか。
なお、セカンドオピニオンについては、今月のコラムに詳しくご紹介しています。




