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健康・子育て解決部屋
子どもの体・健康Q&A

今月は国立病院機構富山病院、金兼先生のコラムを掲載します。

 まだまだ暑い日が続きますが、そろそろ台風のやってくるシーズンとなりました。この頃になると、子どもたちがゼイゼイしながら外来にやってくるようになります。どうして台風が来ると気管支喘息がひどくなるのか、正確な理由は、わかっていません。気管支喘息では、気管・気管支といった呼吸をするときに空気が通る場所の粘膜がとても敏感で、冷たい空気や煙・ホコリに反応して、粘膜が腫れて狭くなります。狭くなったところを空気が通ろうとするのでゼイゼイして息がしにくくなってしまうのです。そうした敏感さゆえに、台風による気圧の変化に反応してしまうのだろうと考えられています。ときには、テレビのニュースよりも早く台風の到来に反応してゼイゼイしてしまう子もいて、この時期は注意が必要です。

 春先から梅雨にかけても、喘息がひどくなりやすい時期です。また、冬でも、暖かい部屋から急に寒い外にでたりすることで、喘息の症状がでることもあります。楽しい夏休みも、キャンプファイヤーの煙、お墓参りの線香の煙、花火の煙、あるいは、里帰りで古い家に泊まって枕投げ!なんてときに、ホコリに反応して急にゼイゼイしたりします。

まずは、そうした喘息の特徴を知っておき、煙の場合には、なるべく風上にいるなどの工夫が必要です。また、喘息の症状は、夜や出先、週末に急に始まることも多いので、ゼイゼイが始まったときの対応を主治医の先生と相談しておきましょう。

もっとも大切なのは、ゼイゼイしていないときも喘息の治療をキチンと続けておくことです。治療を継続しておくことで、気圧の変化、煙、ホコリなどの刺激に反応しにくくなることが期待できます。1年のうちで特定の時期だけ症状がでる間欠型と言われるタイプの患者さんでも、症状がでやすい時期に向けて早めに治療を開始しておきましょう。そうしたことも、主治医の先生と相談しておくと良いですね。

 うちの子は、この間、急にゼイゼイして小児科に行ったら、喘息と言われた。前にも、同じようなことがあったのに、そのときは何も言われなかった・・・ほんとうに喘息でしょうか。そう訴えて、アレルギー科を受診される方がいます。多くは、1〜2歳くらいのお子さんです。じつは、1歳くらいのお子さんでは、風邪を引いたときに急にゼイゼイすることは、よくあることなのです。からだが小さくて、もともと気管支が細いために、粘膜が少し腫れただけでも、あるいは、痰が少し溜っただけでもゼイゼイしてしまうのです。とくに、RSウイルス、ライノウイルス、マイコプラズマといった病原体に感染すると、喘息様の症状を起こしやすいと言われています。ただし、これらの病原体にかかると喘息の子たちも喘息発作を起こします。つまり、最初の症状をみただけでは、気管支喘息なのか、そうでないのか、を見分けることは難しいのです。一生に1回だけゼイゼイしただけなのに、重症で入院する方もいますので、必ずしも症状が重症だから喘息というわけでもありません。基本的には、喘息は慢性の病気ですので、「ゼイゼイを繰り返す、熱もないのにゼイゼイする」かを数ヶ月単位でみていきます。参考になることとしては、アトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患と診断されている、お母さんにアレルギー疾患がある、血液検査でダニやホコリを含む様々なものに反応がでる、などの条件がそろうと喘息である可能性が高いと言われています。ゼイゼイしている1歳くらいのお子さんで、ほんとうに気管支喘息と診断されるのは35人に一人と言われています。

 そういうことで、急にゼイゼイしたときの診断は意外と難しいのですが、治療としては、ゼイゼイの症状の重症度に応じた治療を行います。症状が重症であれば、気管支喘息でなくても一時的には喘息に準じた治療が必要となることもあります。気管支喘息の診断が問題になるのは、治療を続けることが必要かどうかを判断するときです。気管支喘息は、症状を繰り返す慢性の病気であり、基本的には治療を続けることが必要だからです。気管支喘息であれば、治療をキチンと続けないと、ゼイゼイがおさまらなくなってしまうことがあるため、必要と考えられる方には年単位で治療します。今は、小さいお子さんでも、飲みやすいロイコトリエン受容体拮抗薬の飲み薬や、自宅で続けやすいステロイド吸入薬など、効果が高く、安全で、使いやすい薬が選べるようになりました。

 それでも、子どもが小さければ小さいほど、風邪も引きやすく、風邪をひいたとたんにゼイゼイし、短時間でひどくなりやすいため、お母さんたちの心配はつきません。とくに、夜間や早朝に症状がひどくなるため、夜眠れなかったりします。週末やお休みの日に症状がでることも多いです。急に症状がひどくなったときに、どうすれば良いか、主治医の先生とよく相談しておきましょう。

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