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健康・子育て解決部屋
子育てQ&A

今月は富山短期大学 幼児教育学科 石動瑞代先生のコラムを掲載します

新学期を迎えるにあたって
 
 念願の北陸新幹線開通で、富山は今、新たな期待に満ちあふれています。願いがかなったことの喜び以上に、これからどんな世界が待っているのだろうというワクワク感が、県民全体の高揚感につながっているようです。
 新学期を迎える子どもたちもまた、ワクワク感に胸を躍らせています。特に入学や進学を迎える子どもたちは、ランドセルや制服といったモノの準備から、一日ごとに期待を膨らませていることでしょう。 
 よく、“ハレ”という非日常的な時間と“ケ”という日常が、生活にメリハリをつけるといいますが、子どもたちにとっても、新学期は、“いつもの自分”から、“新しい自分”へとステップアップする大切な時間なのだと思います。
 でも、一方で気になるのは、新学期を迎える前後の不安や緊張感。大切な節目に、子どもがつまずいてしまわないように・・・と親の緊張感も高まるようです。
そこで、新学期を迎える親子が、充実した気持ちでステップを乗り越えるために必要な、ポイントをいくつか考えてみました。
 
    今までの自分に自信がもてるように
“ハレ”という非日常は、“ケ”という当たり前の日常があるからこそ、心躍るのです。新学期を迎えるまでの日常生活の中で、自分ができること・成長してきたことをしっかりと自覚できることが大切です。どんな年齢の子どもでも、一緒に1年間を振り返って、
「○○ができるようになったね」と確認しあいましょう。幼い子どもであっても、「大きくなった自分」を実感することは、これから出会う世界にも積極的に関わろうとする意欲につながります。その意欲こそが、新しい生活を充実させるエネルギーになるのです。そしてそれは、大人である私たちも同じ
私は人間にとって「根拠のない自信」がとても大切だと考えています。新しい生活は予測できないことがたくさんあります。でも、たとえどんな壁にぶつかっても、「きっと大丈夫」という根拠のない自信さえあれば、少なくとも前向きに生きていけるのです。
期待感の裏に予測できない不安が潜む新学期だからこそ、
その日までの自分にしっかりとした自信がもてるようなサポートが
重要です。親は子どもの“いいことみつけ”を行い、時にはさりげなく、時には大げさに伝えてあげたいものです
 
    現実的な生活を思い描けるように
“ハレ”という非日常は、必要以上に期待感が膨らむこともあります。「あれもしたい、これもしたい・・・これもきっとできるはず・・・」と、日常の現実からあまりにかけ離れてしまうと、新学期を迎えたあとの不全感や挫折感につながってしまうことにもなりかねません。期待をもって高い目標を持つことはとても大切ですが、親としては、等身大に近い目標を見つけるためのサポートをしてあげたいものです。それは、目標自体を低く設定するのではなく、目標達成に必要なスモールステップを見つけていく作業を助けるものです。お子さんの年齢によっては親側から提示することもあるでしょうし、年齢が高くなれば、自分で気づけるように情報を与えていくことが中心になります。
例えば、「クラスで上位の成績をとりたい!」という目標であれば、現在の状況から考えて「1学期には苦手科目を○点以上にする」などの具体的な目標を設定するのです。
 あくまでも子どもの期待感を否定することなく、「そのためにはまず・・・」と一緒に考える中で、現実の自分を見つめる意識を育ててあげたいですね。
 
    子どもと思いを共有する
②で述べたことと一見矛盾するように感じるかもしれませんが、新学期は多くの子どもにとって、非日常のお祭り的行事です。これから出会う楽しいことにワクワクと心を躍らせ、なんでもできちゃいそうな有能感に満ちているのです。小学校に入学する子は、「友達100人つくる」と真剣に思っていますよね。「100人なんて、できるはずないじゃない」なんて大人のつまらない見方で、せっかくの気持ちをつぶさないように、「そうだね~」と一緒に楽しんであげてほしいのです。一方で、「友達100人できなかったらどうしよう」と必要以上に不安に感じている子どももいます。子どもの小さな不安に対して、「そんなのできるはずないじゃない」と跳ね返したり、「大丈夫だよ~」と無責任な励ましをすることも、結局は不安感を一層高めることになってしまいます。こちらのほうも「そうだね~、できるといいけど、難しいかもね~」とまずは共感を!ただし、それに加えて、「でも○○になったらいいね(たとえば、大好きな友達が3人できればいいねなど)」と実現できそうな姿を提案してあげましょう。②とも共通しますが、子どもがちょっと背伸びをして届く目標が子どもの充実感を高めます

 日常からジャンプアップする時期だからこそ、確実に成長できる環境を作ってあげたいものですね。

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